AGC回路
AGC回路の必要性(AGC回路が組み込まれたバットディテクターは多分BD-AS13が最初ではないでしょうか。)
BD-AS13は高感度で30m〜40m先(*1)のコウモリの声から手が届くほどの至近距離の声もディテクトします。
AGCがない時に至近距離でディテクトするとプリアンプ出力が波形1のように過大となり歪んでしまいます。
この場合は音声が歪んでしまうばかりでなく20kHzをディテクトしても40kHzとか60kHzをディテクトしていると錯覚する事になってしまいます。
AGCがあってもコウモリの声にはもともと高調は成分が含まれると思われますがこの場合の高調は成分のレベルはずっと低く間違ってしまう事は少ないと思います。
波形1:AGCなし 波形2:AGCあり
一般的なラジオ用IC(*2)をバットディテクターに使用した場合はIC内のAGC回路がローカルオシレターのミキシングレベルで動作するため
信号の大小に関係なくほぼ一定のゲインとなっています。
このためプリアンプをハイゲインにすると至近距離では中間周波数回路の初段で信号が歪んでしまいます。
BD-AS13ではプリアンプ内にAGC回路を組み込み、プリアンプ内や中間周波数増幅回路で信号が歪むのを防ぎます。
波形2は至近距離でディテクトした時も波形が歪まないようにAGC回路でゲインをコントロールしている状態です。
バットディテクターではAGCが組み込まれていなくてもローカルオシレターの信号とミキシングされるところでリミッティング作用が働きます。
ほとんどのバットディテクターこの状態で動作をしているものと思われます。
しかし、高感度になるとAGCは必須で欲しい回路と考えられます。
AGC回路が組み込まれたバットディテクターは多分BD-AS13が最初ではないでしょうか。
注(*1)
直進してくるアブラコウモリの場合の参考感度(保証値ではありません)
注(*2)
ごく一部のラジオ用ICやAMステレオラジオ用のICではIF信号出力端子やDET回路端子が外部に出ているものがあり、この場合はICの内蔵するAGC回路をバットディテクターとして利用できることがあります。
オートチューニング用のIF出力が出ているものはリミッターされたIF出力のようなのでバットディテクターのAGCとしては多分利用できない。
コラム
リミッター回路
AGCと類似な動作でリミッター回路があります、こちらはゲインを可変する変わりに一定値を超えた信号をクリップするような動作なので波形1で
レベルがある高さで一定に保たれるような動作になります。
過大出力は防止できるが歪みを押さえることは出来ないことになります。
BD-AD13 バットディテクター販売