BDチェッカーの製作
BDチェッカーとはバットディテクターのテスト用にコウモリの代わりに超音波を発生するツールです。

バットディテクターの試作1号機のテストが出来るようになりましたが梅雨に入ってしまい、雨が続いてはテストが出来ないので、BDチェッカー(バットディテクター・チェッカー)を作リました。
BDチェッカーがあれば、お天気に関係なく、しかも夜を待たず昼間でもバットディテクターのテストができ重宝をしています。
色々な方式のバットディテクターを試作する過程で複数の
BDチェッカーを製作して調整や特性テストに使用しています。

共振型のスピーカーを使用すると40KHzでアブラコウモリ他の周波数帯がテストできます。
高価な素子を使用しなくても裏技を使うと20KHz以下から100KHz位まで可変するタイプも出来ます。

1.BDチェッカー タイプ1 ”ピューピュー音型”
2.BDチェッカー タイプ2 ”周波数可変サイン波出力型”
3.BDチェッカー タイプ3 ”マルチ周波出力型”
4.BDチェッカー タイプ4 ”コウモリ音再生型”  (計画中)

以下、各方式を紹介します。


BDチェッカー タイプ1

40KHzの超音波を発生します
(ピエゾスピーカー使用のため周波数は40固定されています)
出力は周波数変調されているので”ピューピュー”と聞こえ、他の信号によるビート信号と区別出来ます。

           

バットデテクターを40KHzにチューニングした時の音

BDチェッカー タイプ1の音 (40KHz)

バットデテクターを43KHzにチューニングした時の音

BDチェッカー タイプ1の音 (43KHz)


BDチェッカー タイプ2

周波数レンジの切換えと周波数ダイアルの操作で5KHz〜120KHzのサイン波出力の超音波を発生します。

バットデテクターの感度と周波数特性が簡単にチェックできます。

小型の超音波発生SPを内臓、 モニター用ヘッドホンジャック、 出力レベル調整ツマミ

周波数レンジ
5−17KHz
13−40KHz
40−120KHz




使用例

(1)ヘテロダイン式バットディテクターの感度試験の例
BDチェッカーの準備
周波数を周波数レンジの切換えと周波数ダイアルの操作で周波数を40KHzにする。
出力レベル調整ツマミを4にする(*1)。

バットディテクターの操作
周波数ダイアルの40KHz近辺でBDチェッカーの信号がデテクト出来る場所を探す。
バットディテクターのダイアル表示が正確である時は40KHzの下側と、高い方の2ヶ所でディテクト出来ます。
距離を少しづつ遠く離して受信できる限界の距離を調べる。



(2)ヘテロダイン式の周波数特性試験の例
(20KHz〜100KHzまで試験する場合)

BDチェッカーの準備
周波数を周波数レンジの切換えと周波数ダイアルの操作で周波数を20KHzにする。
出力レベル調整ツマミを4にする(*1)。

バットデテクターの操作
周波数ダイアルの20KHz近辺でBDチェッカーの信号がデテクト出来る場所を探す。
バットデテクターのダイアル表示が正確である時は20KHzの下側と、高い方の2ヶ所でデテクト出来ます。
ダイアルの目盛を構成する時はデテクトした2ヶ所の中間で、ビート周波数が限りなく低い周波数になった点が正しい周波数の目盛です。
距離を少しづつ遠く離して受信できる限界の距離を調べる。

BDチェッカーの周波数を30KHzにしてバットディテクターの周波数ダイアルの30KHz近辺で受信できる限界の距離を調べる。
同様にして100KHzまで調べる。



*1:試験する場所の広さに応じて出力レベルを調整します。


BDチェッカー タイプ3

          

4周波以上の複数の超音波を小型の超音波スピーカーから発生します。
どの周波数レンジを選んでもバットディテクターのチェックに必要な、低い周波数から高い周波数までを発生するのでバットディテクターの点検が容易に出来ます。
(使用レンジによっては、一部可聴周波数を含みます。)
レンジ切換えで周波数の組み合わせを変えることが出来ます(表1)、各周波数の出力レベルは以下の理由で同じ大きさではありません。
基本波の他に各基本波の高調波を利用している、超音波スピーカーの周波数特性と、共振特性に依存する。
出力は変調されており他の超音波発生源との誤認を避けることが出来ます。
BDチェッカーやバットディテクター内での混変調が発生するため、表1以外の周波数もデぃテクトされる場合があります。

   

                   -- 表1 --

RANGE 周波数   (KHz)
1 12.5 25 37.5 50 62.5 75 87.5 100 125
2 15 30 45 60 75 90 105 120 150
3 17.5 35 52.5 70 87.5 105 122.5 140
4 20 40 60 80 100 120 140 160


基本周波数

その他(黄色表示以外)は基本周波数の奇数次高調波で、基本周波数よりも出力レベルは低い。