【バットディテクターの製作3】 「HE3」 2004.8

3号機はヘテロダイン方式でバットディテクターの製作をしました 「HE3」。
1号機と2号機の 「HE1a/b」 はダイレクトコンバージョン式なのでアナログアンプが中心でしたが3号機の 「HE3」タイプは限りなくAMラジオ的な回路構成になります。

ヘテロダイン方式の特長は回路がシンプルな割に高感度なバットデテクターが製作出来ます。
感度は使用するAMラジオ用のICで左右されます。
ダイレクトコンバージョン式と違って調整個所が多くなるので完全に調整しないとまったく機能しません。


1.バットディテクター方式 ヘテロダイン方式”HE3”方式の高感度化とローノイズ化

(1)やっと見つけた 広帯域エレクトレットマイクロホン
随分と探し回り下図のような特性のマイクを見つけました。
10KHz以上をBDチェッカー・タイプ2を音源として調べ120KHz以上までBDとして充分な感度があることが確認できました。


   

(2)プリアンプ
アンプはローノイズTR1段のアンプとし超音波マイクの直下に配置しました。
AMラジオ用ICの中間周波アンプが高ゲインなのでプリアンプは簡単にしました。

(3)主要部分はAMラジオ用ICにお任せ
ローカルオシレター(1st)、プリアンプ部、周波数変換部、AGC部などはIC内になります。

AMラジオ用ICのオシレター回路をそのまま使用しますが発振周波数が違うのでコイルを巻きなおす必要があるかも知れません。
AMラジオ用のコイルをそのまま使った場合発振する場合としない場合があります。
また,発振しても周波数を可変した時のレベル変動が大きかったり、途中で発振停止をする場合があるので慎重にチェックをします。

1st中間周波数はAMラジオと同じ455KHz又は450KHzとなります。

(4)2ndオシレター2nd中間周波数
この部分はAMラジオ用のICには入っていないのでトランジスターを追加して作ります。
2ndオシレターにはAMラジオ用のIFTが使用できます。
サイン波形で電源電圧変動に対して安定なようにします。
1st中間周波数と2ndオシレター出力を混合(2ndミキサー)してAMラジオ用ICの検波回路に送ります。
これ以降はAMラジオと同じ動作となります(*注1)。


2ndオシレターがあるのでダブルスーパーのようですが2ndミキサー以降はLFとなるため、2nd中間周波数は存在しません。

注1)
実はこれは理想的な回路構成であってほとんどのICはIFアンプと検波回路はIC内部で接続されています。そのためIF出力に2ndミキサーの出力を接続することが出来ません。
仕方なく1stミキサーとIFアンプ入力の間に2ndミキサーを挿入するしかありません。
IFアンプではIF信号と2ndオシレター出力が混合された状態で増幅されることになります。
理想的な回路構成のICも在るにはあるのですが以下のような理由(*注2)で現在は妥協的な回路構成で試しました。
web上でも良く名前の出ているMini−3もこの回路構成のようです。

理想的な回路構成のバットディテクターの実現はもう少し先になりそうです。

注2)
ほとんどのICの動作電圧が9Vとか12V以上必要である。
ほとんどのICは生産完了品となっておりパーツ屋さんでは市販されていない。
しかし現在市販されているラジオも中を開けてみるとほとんどが生産完了となっているICが使用されているので大量に購入すれば調達できるルートがあるのかしら?。
海外のディスコンICの販売ルートには在庫が出ているが500ケ単位とか1リール単位でないと購入できない。


(5)回路製作よりも調整の方が大変
調整には約20KHz〜120KHz(又は15KHz〜160KHz)の超音波が音源が必要なので、BDチェッカー タイプ2を作りました。

他にオシロスコープ、周波数カウンタ等が必要です。

超音波が音源の周波数を変えながら必要なレンジでディテクト出来るよう各発振コイルとIFTの調整や、バリコンにコンデンサーを追加します。
次に 1st中間周波数と2ndオシレターの混合比を最適化します。


製作したバットデテクター 「HE3」 タイプ

 内部はAMラジオそのもの ポリバリコンとIFTの間がAMラジオ用IC


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