2.弾き易いテルミンを目指して
このサイトの管理人はプロの演奏家にも使って頂けるような弾き易いテルミンの製作を目指しスタートしました。
(1)テルミン教室”テルミン初級”に入門
プロの演奏家にも使って頂けるようなテルミンにするには、どのように演奏されるのかを実際に習った上で製作したテルミンの評価をしなければと考え、
”テルミン初級”の教室に入り目下特訓中です、講師は 竹内正実先生に学ばれた小泉広先生です。
演奏活動やテルミン教室の講師をされています。
レッスン内容は目指す性能や、調整法を考えるのに大変役に立っています。
教室では先生の用意されたEtherwaveを借りて練習します。
(2)チューニングのとり方と演奏法の概要
・チューニングのとり方
1)オープンポジションにした右手を1時の方向に伸ばした所ピッチアンテナがあり、延ばした指先がアンテナに触れない位置に立つ。
2)クローズドポジションにして胸元に引いた状態でピッチ調整ツマミでゼロポイントを合せる。
3)演奏する音程の位置付近でクローズドポジションとオープンポジションを試して音を聞きオクターブのピッチが合っているか確認し微調整する。
・演奏法の概要
1)クローズドポジションとオープンポジションの間で3から5の指の開き加減と手首から先の動きでオクターブ内の演奏をする。
2)オクターブ内では肘の位置と手首の関節の位置は動かさない。
3)演奏中体の位置、姿勢は動かさないようにする。
4)その他原則的な注意として、演奏者の周囲1.5m以内には人や金属など導電性の物は極力無いようにする(動くものは厳禁)。
*補足
・ゼロポイント
クローズドポジションで胸元に引き寄た位置でテルミンの音が最低音周波数になった後音が出なくなる位置。
微調整する事で演奏者に適したオクターブピッチに調整できる。
周囲に導電性の物があると変わる、温度によりドリフトが出る場合があるので時々確認をする。
・クローズドポジション
1と2の指を軽く合わせて輪を作り3から5の指は軽く握る、手首は指先が上に上がりアンテナから遠ざかるよう軽く曲げる。
・オープンポジション
1と2の指で輪を作ったままで3から5の指をは軽く延ばす、指先は揃えないで開く。
手首は指先が水平になってアンテナに近づく気持ちで延ばす。
(3)弾き易いテルミンの条件とは
・ピッチ回路に必要な条件(基本仕様)
演奏がし易いオクターブピッチに調整できる事が最低の条件である。
ゼロポイント付近で適当な引き込みを持たせる必要である。
前項のチューニングのとり方や実際にテルミン教室で指導を受けたことを整理して次のような暫定目標を立てた。
3オクターブを目指せばオクターブのピッチは70mm〜80mm、3.5オクターブ以上を狙えばもう少し短くなるかも知れない。
ゼロポイントのとれるアンテナとの距離は40cm〜50cm(腕の長さよりは少し短い)
ゼロポイント付近で適当な引き込みを持たせる必要である。
・ボリューム回路に必要な条件(基本仕様)
広げた左手をボリュームアンテナ上で上下させて最高音量からミュート状態まで滑らかに音量がコントロールできること。
最高音量はアンテナ上約20cm以上、ミュート時はアンテナ上2〜3cmを目標にする。。
(4)テルミンの試作
ポイント
「1」チューニング範囲を広く仕上げるにはより高い周波数の演奏ができるようにする必要である。
「2」チューニング範囲を広く仕上げるにはより低い周波数の演奏ができるようにする必要である。
「3」ゼロポイントでの安定性を求めると2つの発振器間に弱い引き込みを持たせる必要がある。
「4」上記「2」と「3」は相反する条件となるので慎重にバランスを調整する必要がある。
「5」テルミンは見方を変えると電波発信機であってアンテナから常に電波を発信しています。
「6」他に与える妨害を最小限にするには極力低い電圧で動作させる方が良いと思われる。
実際に造ってみると外部から電磁波の影響を受けノイズが入り、ある程度発振電圧をが高きする必要があった。
通常は屋内で使用されると思われるから他に影響を与える恐れは低いがAMラジオと重ならない周波数にしたい。
「7」引きやすいテルミンは低音から高音までオクターブ間の距離がなるべく均等であることが必要。
「8」演奏用テルミンにはボリュームコンとロールが必要であり、2アンテナテルミンが実現すれば試作は完了。
お問い合わせは | 【連絡先 E-mail】 |