(32)三角波を生成する音色作りの実験 2012.1.28
”アナログテルミンの音作り”と言っても人によって好みがありなかなか難しい。
@まずはきれいなサイン波形が出ることが基本となるでしょう。
次にどのような味付けができるか?。
midiI/Fとかシンセを外部接続する方法もありますが今は極力アナログ手法でどんなことが出来るか考えています。
A良くあるのは非直線歪を持つ回路を通す、過大なゲイン回路を通して歪ませる、さらにフィルター回路を併用するなどがあるようです。
アナログシンセは矩形波とか三角波さらにノイズを元の信号として色々な加工を加え音作りをするようです。
しかし@、Aでは三角波はできそうにありません。
今回は違った手法で三角波の生成を試みることにしました。
とりあえずetherwaveテルミンのLINEOUTに外付け回路を組みテストをします。
VOLコントロールはしない(max)ピッチのみの実験となります。
三角波は矩形波を積分回路に通すと簡単にできます。
しかしテルミンの場合は3オクターブ位音程が変わるので、積分回路に通すだけでチャン・チャン!とはなりません。
積分回路に通すと周波数が高くなる程振幅(音量)がどんどん小さくなり使いものにならないからです。
今回は周波数が高くなると積分回路の時定数が小さくなるようにコントロールすることで超低音域から高音域まで振幅がほぼ一定の三角波(*1)を生成できました。
こんな音です。
音色(三角波)
http://youtu.be/Kum9LZIAt7k
お気付きですか?。
実は通常のetherwaveテルミンよりも全体に1オクターブ低い音域になっています。
低い方は50Hz以下から安定した演奏が可能です。
その分高い方の音域も1オクターブ低くなっています。
一定振幅の三角波は案外簡単に生成できましたがサイン波ほど地味ではないですがチョット寂しい?かな。
そこで調味料F1を加えました。
音色(+F1)
http://youtu.be/0vM6jLkCVxs
どうでしょうか?、次は調味料F2を加えました。
音色(+F2)
http://youtu.be/JTuWbu9B1rQ
調味料F1とF2の両方を加えました。
音色(+F1、 +F2)
http://www.youtube.com/watch?v=beqEbRtwKuk
テルミンの音色を女性的とすればこれらはお兄さんもしくはオッサンの音色でしょうか?。
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調味料を加える量でもっと細かな味付けも可能です。
この段階ではフィルター操作は加えていませんので音色の周波数依存はほとんどありません。
それがどうした?、と聞かれても困ります。
ただ、このような実験で2,3日お遊びができました。
次はVOLコントロールの切れを鋭くする回路の実験を考えています。
注:*1
簡略化した積分回路としたので超低温域では少し丸みを帯びた三角波となっています。
ICを使用した積分回路に置き換えれば改善できますが今回はこれで良しとしました。
次回に続く予定
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