かっちゃんの コウモリ観察

bat ロガーを使用したアブラコウモリの活動調査 (2006年4月7日・名古屋市内)






















bat ロガー(注*1)を使用して日没直前から0時35分まで5分間隔で自宅横を通るコウモリの数をロギングしました。
近隣の車の出入り、自転車の変速機等の音によるミスカウントを防ぐためバットディテクターのゲインを低く設定しているので、
実際の数より少なめにカウントしていると思われるが大よその活動状況がわかります。
カウント累計は往復のカウントとなるので1/2の約50匹が通ったことになります。
日没から20分位の間は餌場へ向かうもの、その後の30分位は一部帰ってくるものもカウントされているものと思われます。
それ以降は三々五々に帰って来ます。
真夏には明け方まで活動して帰ってくるものが観察できるが、まだ気温が低いので21時45分までに全部戻ったものと思われ、その後はカウント数が変化していません(グラフでは省略してあります)。


注 (*1) bat ロガー
バットディテクターがコウモリをディテクトした音声出力のカウント数 (注*2)を一定時間毎にロギングします。
カウント数の他に日付,時刻,気温が不揮発メモリーに書き込まれます。
コウモリの声以外の超音波でのミスカウントを防ぐため感度を少し控えめにした方が安全です (注*3)。

bat ロガーの詳細
市販のロガーキットを利用
カレンダークロックICを内蔵した市販のロガーキット(アナログ8ch)が目にとまりました。
アナログ(1ch〜8ch)の他に、日付と時刻が毎回記録されます。
温度測定用センサーが付属しており気温の測定が可能。
スタンドアロン動作ができるので電池で動作します。
PCへデータをダウンロードするソフトもキットに付属しています。
つまりキットを組み立てればアナログ(1ch〜8ch)+日付と時刻がロギングできます。

これにバットディテクターをつないでロギング出来たらコウモリの活動調査が無人でできる!。
複数を直線状や、グリッド状にに配置すれば点から線や面の調査ができるのではと考え、bat ロガーの開発にかかりました。
ハードとソフトをデジタル用に変更すれば bat ロガーができる訳ですが自力でソフトがつくれないのが最大の問題点となりました。
ソフト制作を外注すればゼロが6ヶ?、ゼロが5ヶならばお値打ちかも!、とても投資できません。

キットのソフトをそのまま利用することを前提として、アナログ(1ch〜8ch)を最小限の追加ユニット(注*2)で擬似的にカウウンター(デジタル入力)と見なせるようにしなければなりません。


注 (*2) 追加ユニット(音声出力のカウント方式)
ロガーキット(アナログ8ch)そのままではカウント数(デジタル)をロギング出来ないので細工が必要になります。
2方式を試し、第2案を採用しました。

方式1:D/A変換ICを使う
カウント数(デジタル)をD/A変換してロガーキット(アナログ8ch)に入力して見ました。
ロガーキットは10bitのA/D変換を内蔵していますが簡易型の入力アンプのようなので上位7bitを使用して見ました。
一応 0-127 カウント動作を確認できました。
入力アンプのオフセットもかなりありやや不安が残りました。

方式2:カウンターの7bitをA/Dの各chに接続しPC側で処理する
A/Dの各chにカウンターからのbit1〜bit7をダイレクトに入力する。
bitNがゼロの時:AD値は最小値(0)に近い小さい値(オフセットによりゼロにはならない)が取り込こまれます。
bitNが1の時:AD値は最大値(1024)に近い値が取り込こまれます。

PCに転送したデ−タをExcellシート上で処理してA/Dの各chを1bitのカウンターに見立て7chに重みを付け7bitカウンターとして0〜127をカウントします。
カウンターがオーバーフローした時の処理をしており127以上のカウントにも対応できます。
基本の追加回路は音声ディテクトIC、下記をプログラムした44pinCPLD(EPM7032)の2チップでOKです。
(カウントパルス発生、8bitカウンター/ラッチ回路、ロガー側が読み込み中のラッチ遅延回路など)
暗闇でカウントした時にディテクト表示のLEDが光るだけでは寂しいので、7bitのカウンターの状態を表示するバーグラフLEDとドライブICを追加しました。

この方式は入力アンプのオフセットやゲイン誤差は全くカウント値に影響しません。

8ch目は元のロガーの機能で気温を記録するようになっています。


注 (*3) コウモリの声以外の超音波でのミスカウント例
道路が近いと自動車のドア-の開け閉め,カギ束のチャラちゃら音、自転車の変速機から出る音。
人が通る時の地面を擦る音、風で草木が摺れ合う時にも超音波がでます。
水が落ちる時、流れが乱れる所等からも超音波がでます。


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